初動対応
しょどうたいおう / Initial Response / 対応の基本
初動対応とは、インシデントの兆候に気づいた直後の数時間から数日に行う対応で、被害拡大の防止、証拠の保全、関係者への第一報、記録の開始を中心とします。
英語:Initial Response
「初動対応」の概要
インシデントに気づいてから最初の数時間に行う対応のことです。被害を広げないための応急処置、関係者への連絡、状況の記録が中心です。
初動での判断の誤り(感染した端末の電源を切って証拠を消してしまう、連絡が遅れて報告期限に間に合わないなど)は、後から取り戻すのが難しいため、手順を事前に決めておくことが重要です。
要点
- 初動の判断と記録が、被害の大きさと原因調査のしやすさを左右します。
- 端末の初期化や電源断は、原因調査に必要な証拠を消すおそれがあります。
- 報告期限は事態を知った時点から進むため、初動から時刻付きの記録が必要です。
初動で行う5つのこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 拡大の防止 | 感染が疑われる端末をネットワークから切り離す。不審なアカウントを停止する |
| 証拠の保全 | 電源を切らず、画面やログを保存する。外部専門家の指示を待つ |
| 第一報 | 緊急連絡網に従い、情報システム部門と責任者に報告する |
| 記録の開始 | いつ、誰が、何に気づき、何をしたかを時刻付きで残す |
| 指揮役の決定 | インシデント・コマンダーを決め、対策本部の要否を判断する |
よくある失敗
- 「念のため」端末を初期化し、侵入経路の調査ができなくなる。
- 担当者が一人で抱え込み、経営層への報告が遅れる。
- 発覚日時が記録されておらず、報告期限の起算日を説明できない。
具体例
病院で電子カルテの端末に脅迫文が表示された場合、当直者は端末のLANケーブルを抜き、画面を撮影し、緊急連絡網に従って情報システム担当と事務長に連絡します。事務長は指揮役として、対策本部の設置と外部専門家への連絡を判断します。
実務のポイント
- 初動の手順は1枚にまとめ、紙でも保管します。社内システムが止まっても参照できるようにします。
- 「切り離す」と「電源を切る」は違う操作であることを、全職員に周知します。
- 第一報は不確かな内容でも構いません。確認を待たずに上げる運用にします。
GuardPlanでできること
GuardPlanは、事故の報告を受けた時点で、AIによる聞き取りを通じて必要な情報を集めることを支援し、最初に行うべきタスクを提示します。報告を受けた時刻と、担当者が確認した「事態を知った日時」を記録し、報告期限の管理に使います。慌ただしい初動の中でも、何を確認し、誰に連絡すべきかを担当者が見失わないようにします。
関連用語
参考資料
- NIST SP 800-61 Rev. 3「Incident Response Recommendations and Considerations for Cybersecurity Risk Management」
- JPCERT/CC「CSIRTマテリアル」
執筆:GuardPlan編集部 最終更新日:2026年11月4日