公益通報者保護法
こうえきつうほうしゃほごほう / Whistleblower Protection Act / 法令とガイドライン
公益通報者保護法とは公益のために事業者の法令違反を通報した労働者などを解雇などの不利益な取扱いから守り、事業者に通報への対応体制の整備を求める法律です。
正式名称:公益通報者保護法(平成16年法律第122号)
法令番号:平成16年法律第122号/英語:Whistleblower Protection Act
「公益通報者保護法」の概要
公益通報者保護法は勤め先の法律違反を通報した人を、解雇などの不利益な取扱いから守るための法律です。あわせて、一定の規模以上の事業者に、通報を受け付けて対応する体制を整えることを義務づけています。
食品の偽装表示やリコール隠しなど、内部からの告発で明らかになった不祥事が相次いだことを背景に制定されました。その後の改正で、事業者の体制整備や、通報を受け付ける担当者の守秘義務が強化されています。
要点
- 2004年に制定され、2006年4月に施行されました。
- 2020年の改正(2022年6月施行)で、常時使用する労働者が300人を超える事業者に、内部公益通報への対応体制の整備と、対応にあたる「従事者」の指定が義務づけられました。
- 2025年6月に成立した改正法では、通報を理由とする解雇や懲戒への刑事罰や、通報者を探索する行為の禁止などが定められました。
法律の主な内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通報者の保護 | 公益通報をしたことを理由とする解雇の無効、降格や減給などの不利益な取扱いの禁止 |
| 事業者の体制整備 | 内部公益通報に応じ、適切に対応するための体制の整備(常時使用する労働者が300人以下の事業者は努力義務) |
| 従事者の指定 | 通報の受付や調査を担う者を「公益通報対応業務従事者」として指定する |
| 守秘義務 | 従事者には、通報者を特定させる情報について守秘義務があり、違反すると刑事罰の対象になる |
| 行政措置 | 消費者庁による報告の徴収、助言、指導、勧告、勧告に従わない場合の公表 |
指針との関係
事業者がとるべき体制の具体的な内容は、法律に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)で定められています。消費者庁は指針の考え方と取り組みの例を示した「指針の解説」も公表しています。実務では法律、指針、指針の解説の3つをあわせて確認します。
2025年の改正
2025年6月に成立した改正法には、主に次の内容が含まれています。改正法は2026年12月1日に施行されます。
- 通報を理由とする解雇や懲戒に対する刑事罰の導入
- 通報から1年以内の解雇や懲戒は、通報を理由とするものと推定する規定
- 正当な理由なく通報者を特定しようとする行為の禁止
- 保護の対象へのフリーランスの追加
- 従事者の指定義務に違反した事業者への命令と罰則
実務のポイント
- 自社が体制整備の義務の対象(常時使用する労働者が300人超)に当たるかを確認します。
- 従事者を書面などで指定し、指定した者に守秘義務を説明します。
- 改正法の施行に合わせて、内部規程と研修の内容を見直します。
GuardPlanでできること
GuardPlanは、コンプライアンス問題が発生しても、安全に解決まで導く「AIコンプライアンス事務局」です。
GuardPlanは内部公益通報への対応体制のうち、通報の受付、担当の割り当て、調査と是正の記録、通報者への連絡を管理することを支援します。閲覧の権限を限定し、操作の履歴を監査ログとして残せるため、従事者の範囲を絞った運用に使えます。法令への適合の判断は、担当者や弁護士が行います。
関連用語
参考資料
このページは法令の一般的な解説であり、個別の事案についての法的な助言ではありません。具体的な判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。
執筆:GuardPlan編集部 最終更新日:2026年11月4日