GuardPlan 用語集
サイバーインシデント対応と、コンプライアンス・ガバナンスに関わる用語を、実務の観点から解説しています。各用語の解説では、公的機関のガイドラインや法令を参考資料として示しています。
サイバーインシデント対応の用語
サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデントへの対応に関わる用語です(36語)
あ行
- ITSM(ITサービスマネジメント)
ITSMとは、ITサービスを利用者に安定して提供するための管理の考え方と実践です。障害、問い合わせ、変更などを管理するソフトウェアは、ITSMツールと呼ばれます。 - インシデント・コマンダー
インシデント・コマンダーとは、インシデント発生時に、技術作業ではなく組織全体の対応を指揮・調整する責任者です。 - インシデント対応計画
インシデント対応計画とは、インシデント発生時の体制、役割と責任、連絡経路、重大度の判断基準などを事前に定めた文書です。 - インシデントレスポンス(インシデント対応)
インシデントレスポンスとは、サイバー攻撃や情報漏えいなどのセキュリティインシデントを検知してから、被害の抑制、復旧、関係者への報告、再発防止までを、組織として計画的に進める一連の活動です。 - EDR
EDRとは、パソコンやサーバーなどの端末の動きを監視し、不審な動作を検知して、端末の隔離などの対応を行うためのセキュリティ製品です。 - エスカレーション
エスカレーションとは、現場の担当者では判断や対応ができない事案を、上位の責任者や専門部署に引き上げることです。
か行
- 机上演習(テーブルトップ演習)
机上演習とは、架空のインシデントのシナリオをもとに、関係者が実際の役割で判断と行動を議論し、計画や手順の不備を確認する訓練です。 - 緊急連絡網
緊急連絡網とは、インシデント発生時に連絡すべき社内外の関係者と、その連絡手段、連絡の順序をまとめたものです。 - クライシスコミュニケーション
クライシスコミュニケーションとは、事故や不祥事の発生時に、顧客、取引先、報道、従業員などへ、何を、いつ、誰が伝えるかを計画し、実行することです。 - 警察への相談・届出
警察への相談・届出とは、サイバー攻撃などの被害を受けた組織が、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口などに被害を相談し、または被害を届け出ることです。
さ行
- サイバーインシデント
サイバーインシデントとは、不正アクセス、マルウェア感染、情報漏えい、システム停止など、情報やシステムの機密性・完全性・可用性が損なわれた、または損なわれるおそれがある事象です。 - サイバーセキュリティ経営ガイドライン
サイバーセキュリティ経営ガイドラインとは、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、経営者がサイバーセキュリティ対策を推進するために認識すべき原則と、責任者に指示すべき事項をまとめた指針です。 - サイバー保険
サイバー保険とは、サイバー攻撃や情報漏えいによって生じる損害賠償、事故対応費用、復旧費用、事業中断による損失などを補償する損害保険です。 - サプライチェーン攻撃
サプライチェーン攻撃とは、標的の組織を直接ねらうのではなく、取引先、委託先、利用しているソフトウェアやサービスの提供元などを経由して侵入・攻撃する手口です。 - 証跡・監査ログ
証跡(監査ログ)とは、誰が、いつ、何を判断し、何を実行したかを、後から確認できるように、改ざんを防ぎ、改ざんがあれば検知できる形で残した記録です。 - 初動対応
初動対応とは、インシデントの兆候に気づいた直後の数時間から数日に行う対応で、被害拡大の防止、証拠の保全、関係者への第一報、記録の開始を中心とします。 - CIRM(サイバーインシデント対応管理)
CIRMとは、サイバーインシデントへの組織としての対応、すなわち役割分担、タスク、期限、承認、報告、記録を一元的に管理するソフトウェアの分類、またはその考え方です。 - CISO(最高情報セキュリティ責任者)
CISOとは、組織の情報セキュリティ全体に責任を負う役員または責任者で、平時の対策方針や予算案の策定に関わり、インシデント発生時には経営判断に関わります。 - CSIRT(シーサート)
CSIRTとは、組織内でセキュリティインシデントの報告を受け付け、対応を調整し、社外の関係機関と連携する専門チームです。 - SIEM(シーム)
SIEMとは、サーバー、ネットワーク機器、端末などのログを集めて相関分析し、サイバー攻撃の兆候を検知するためのシステムです。 - 事後レビュー(振り返り)
事後レビューとは、インシデント対応の終了後に、経緯と対応を関係者で振り返り、計画や手順の改善点をまとめる取り組みです。 - SOAR(ソア)
SOARとは、セキュリティの警告への対応手順を自動化し、複数のセキュリティ製品を連携させて、技術的な対応を効率化するためのシステムです。 - SOC(セキュリティオペレーションセンター)
SOCとは、ネットワークや端末のログを監視し、サイバー攻撃の兆候を検知・分析する専門の組織または拠点です。
た行
- 帯域外連絡(アウトオブバンド・コミュニケーション)
帯域外連絡とは、通常業務で使う社内メールやチャットとは別の経路で連絡を取ることで、攻撃で社内システムが停止した場合や、攻撃者に通信を読まれている場合に備えるものです。 - 対策本部(緊急対策本部)
対策本部とは、重大なインシデントの発生時に、経営トップを本部長として臨時に設置され、業務停止、公表、報告、費用支出などについて組織として判断する会議体です。 - トリアージ
トリアージとは、報告されたインシデントの重大度と緊急度を判断し、対応の優先順位と担当者を決めることです。
は行
- 標的型攻撃メール
標的型攻撃メールとは、特定の組織や個人をねらい、業務に関係するように装った文面で、マルウェアを含む添付ファイルを開かせたり、偽のサイトに誘導したりするメールです。 - ビジネスメール詐欺(BEC)
ビジネスメール詐欺とは、取引先や経営者になりすましたメールで、偽の振込先に送金させる詐欺です。 - BCP(事業継続計画)
BCPとは、災害、感染症、システム障害などで通常の業務ができなくなったときに、優先する業務を継続し、または早期に再開するための計画です。 - 封じ込め
封じ込めとは、インシデントの被害がこれ以上広がらないように、感染端末の切り離し、アカウントの停止、不正な通信の遮断などを行うことです。 - フォレンジック(デジタル・フォレンジック)
デジタル・フォレンジックとは、インシデントの発生後に、端末やサーバーに残った記録を科学的な手法で調べ、侵入経路、被害範囲、情報の持ち出しの有無などを明らかにする調査です。 - 不正アクセス
不正アクセスとは、利用する権限を持たない者が、他人のIDとパスワードを使ったり、システムの脆弱性を突いたりして、アクセス制御のかかったコンピュータを利用することです。 - 復旧
復旧とは、インシデントの原因を除去した後に、停止したシステムと業務を、安全を確認しながら通常の状態に戻すことです。 - プレイブック
プレイブックとは、ランサムウェア、メールの誤送信、不正アクセスなど、インシデントの種類ごとに、実施するタスク、順序、担当者、判断ポイントを定めた手順書です。
ら行
- ランサムウェア
ランサムウェアとは、組織のデータやシステムを暗号化して使えない状態にし、元に戻すことと引き換えに金銭(身代金)を要求するマルウェアです。 - RACI(役割分担表)
RACIとは、作業ごとに実行責任者(R)、説明責任者(A)、相談先(C)、報告先(I)を割り当てて一覧にする役割分担の手法です。
分類から探す
対応の基本
サイバーインシデント インシデントレスポンス(インシデント対応) 初動対応 トリアージ エスカレーション 封じ込め 復旧 事後レビュー(振り返り)
体制と役割
CSIRT(シーサート) インシデント・コマンダー 対策本部(緊急対策本部) CISO(最高情報セキュリティ責任者) SOC(セキュリティオペレーションセンター) フォレンジック(デジタル・フォレンジック) クライシスコミュニケーション RACI(役割分担表)
計画と準備
インシデント対応計画 プレイブック BCP(事業継続計画) 机上演習(テーブルトップ演習) 緊急連絡網 帯域外連絡(アウトオブバンド・コミュニケーション) サイバー保険 証跡・監査ログ
法令と報告
サイバーセキュリティ経営ガイドライン 警察への相談・届出
攻撃と事故の種類
ランサムウェア 不正アクセス 標的型攻撃メール ビジネスメール詐欺(BEC) サプライチェーン攻撃
ツールとカテゴリ
CIRM(サイバーインシデント対応管理) SIEM(シーム) SOAR(ソア) EDR ITSM(ITサービスマネジメント)
コンプライアンス対応の用語
内部通報、社内調査、ハラスメントなどのコンプライアンス事案への対応と、ガバナンスに関わる用語です(40語)
あ行
- ISO 37002(内部通報マネジメントシステム)
ISO 37002とは、組織が内部通報の仕組みを整備し、運用し、改善するための指針を示した国際規格で、2021年に発行されました。 - 案件管理(ケースマネジメント)
案件管理とは通報や相談、コンプライアンス違反の疑いを1件ずつ案件として登録し、受付から調査、是正、終結までの担当者、期限、判断、記録を一元的に管理することです。 - 横領・着服
横領とは、自分が管理を任されている他人の金銭や物を、自分のものにすることで、業務として管理しているものを横領した場合は業務上横領罪に当たります。
か行
- 危機管理
危機管理とは重大な不祥事、事故、災害、サイバー攻撃など、企業の存続や信用を脅かす事態が起きたときに、被害を最小限に抑え、早く平常の状態に戻すための対応と、その備えのことです。 - グループガバナンス
グループガバナンスとは、親会社が子会社を含む企業グループ全体の経営を適切に監督し、グループとしての価値の向上とリスクの管理を図る仕組みです。 - グループ内部通報
グループ内部通報とは、親会社が子会社などのグループ会社の役職員からの通報も受け付ける仕組みのことで、グループ全体の不正を早く把握するために設けられます。 - 行動規範(コード・オブ・コンダクト)
行動規範とは、企業の役職員が日常の業務で守るべき行動の基準を、具体的な場面に即して示した文書です。 - コンプライアンス
コンプライアンスとは、企業が法令を守ることに加え、社内規程や業界のルール、社会から求められる倫理に沿って事業を行うことです。 - コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会とは、企業のコンプライアンスの方針や施策を審議し、重大な違反事案への対応を検討するために設けられる社内の会議体です。 - コンプライアンス違反(不祥事)
コンプライアンス違反とは法令、社内規程、社会規範に反する行為のことで、企業の信用や事業に大きな影響を与えるものは「不祥事」とも呼ばれます。 - コンプライアンス・プログラム
コンプライアンス・プログラムとは、企業が法令違反を防ぎ、早く発見し、適切に対応するために整える方針、規程、体制、研修、監視、通報、是正の仕組みの全体です。 - 根本原因分析
根本原因分析とはコンプライアンス違反や事故の直接の原因だけでなく、それを生んだ組織の仕組みや風土の問題まで掘り下げて特定する分析です。 - コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスとは、会社が株主をはじめ顧客、従業員、地域社会などの立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みです。 - コーポレートガバナンス・コード
コーポレートガバナンス・コードとは、上場会社が実効的なコーポレートガバナンスを実現するための原則を示したもので、金融庁と東京証券取引所が中心となって策定し、東京証券取引所の上場規則に組み込まれています。
さ行
- 再発防止策
再発防止策とはコンプライアンス違反の根本原因を取り除き、同じ違反や似た違反が再び起きないように、制度、業務の手順、組織の体制を見直す取り組みです。 - 社内調査
社内調査とはコンプライアンス違反の疑いがあるときに、企業が自ら事実関係を調べ、違反の有無と原因を明らかにする活動です。 - 証拠保全
証拠保全とは社内調査や将来の紛争に備えて、メール、文書、データなどの証拠が消されたり書き換えられたりしないよう、確保しておくことです。 - 心理的安全性
心理的安全性とはチームの中で、意見や疑問、懸念、失敗を口にしても、罰せられたり恥をかかされたりしないと、メンバーが共通して感じられる状態のことです。 - CCO(最高コンプライアンス責任者)
CCOとは、企業のコンプライアンスの取り組み全体に責任を負う役員または責任者のことです。 - 事実認定
事実認定とは社内調査で集めた資料や関係者の説明をもとに、実際に何があったのかを判断し、確定させることです。 - スピークアップ文化
スピークアップ文化とは、従業員が職場の問題や不正の疑い、懸念を、報復を恐れずに声に出して伝えられ、組織がそれを受け止めて対応する組織の風土のことです。 - 3ラインモデル
3ラインモデルとは組織のリスク管理と統制の役割を、事業部門(第1線)、リスク管理・コンプライアンス部門(第2線)、内部監査部門(第3線)の3つに分けて整理する考え方です。 - 説明責任(アカウンタビリティ)
説明責任とは、企業が自らの判断や行動について、その理由と経緯を、株主、従業員、取引先、社会などの関係者に説明する責任です。 - 是正措置
是正措置とは、コンプライアンス違反が確認されたときに、違反の状態を止め、生じた被害や不利益を元に戻すための措置です。 - 全社的リスクマネジメント(ERM)
全社的リスクマネジメントとは、事業、財務、法令遵守、災害、サイバーなど組織が直面するリスクを、部門ごとではなく全社の視点で洗い出し、評価し、対応する経営の仕組みです。 - 組織風土(企業文化)
組織風土とは組織の中で共有されている価値観、考え方、行動の習慣のことで、規程に書かれていない「この会社では当たり前」とされる判断の基準を指します。
た行
- 第三者委員会
第三者委員会とは、企業で重大な不祥事が起きたときに、会社から独立した弁護士や会計士などの外部の専門家が、事実関係と原因を調査し、再発防止策を提言するために設けられる委員会です。 - 調査報告書
調査報告書とは社内調査や第三者委員会の調査の結果として、認定した事実、原因、再発防止策の提言などをまとめた文書です。 - 匿名通報
匿名通報とは、通報者が名前などの身元を明かさずに行う通報のことで、通報のハードルを下げる一方、事実の確認や結果の通知が難しくなるという課題があります。 - トーン・アット・ザ・トップ
トーン・アット・ザ・トップとは、経営トップがコンプライアンスと倫理を重視する姿勢を、言葉と行動で組織に示すことであり、組織全体の行動の基調をつくるとされる考え方です。
な行
- 内部監査
内部監査とは、組織の内部の独立した部門が、業務が規程や法令に沿って行われているか、リスク管理と内部統制が有効に機能しているかを評価し、改善を提言する活動です。 - 内部通報制度
内部通報制度とは、従業員などが社内の法令違反や不正を知ったときに、通常の指揮命令系統とは別の経路で会社に知らせ、会社がそれを調査・是正するための仕組みです。 - 内部通報窓口(社内窓口・社外窓口)
内部通報窓口とは内部通報制度に基づいて通報や相談を受け付ける窓口で、社内の部署が担う社内窓口と、法律事務所などの外部の事業者が担う社外窓口があります。
は行
- ハラスメント相談窓口
ハラスメント相談窓口とは職場のハラスメントについて、従業員が相談できるよう企業が設ける窓口で、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどの防止措置として設置が義務づけられています。 - ヒアリング(事情聴取)
ヒアリングとは社内調査で、通報者、関係者、対象者から話を聞き、事実関係を確認する手続きです。 - 品質不正(検査データの改ざん)
品質不正とは製品やサービスの品質に関して、検査データの改ざん、必要な検査の省略、顧客との約束と異なる仕様での出荷などを行うことです。 - ビジネスと人権
ビジネスと人権とは、企業が自社の事業活動や取引先を含むサプライチェーンの中で、人権に負の影響を与えないよう責任を果たすことを求める考え方です。 - 不正会計
不正会計とは売上や利益、資産などを意図的に実際と異なる金額で計上し、財務諸表に虚偽の内容を記載することです。 - 不正のトライアングル
不正のトライアングルとは、不正が起きるのは「動機(プレッシャー)」「機会」「正当化」の3つの要素がそろったときだとする考え方で、米国の犯罪学者ドナルド・クレッシーの研究をもとにしています。
ら行
- 利益相反
利益相反とは、ある人が職務上の立場で負う義務と、その人自身や関係者の利益とが対立する状態のことです。
分類から探す
対応の流れ
コンプライアンス コンプライアンス違反(不祥事) 社内調査 是正措置 再発防止策 事実認定 根本原因分析 説明責任(アカウンタビリティ)
通報と相談
内部通報制度 内部通報窓口(社内窓口・社外窓口) 匿名通報 ハラスメント相談窓口 ISO 37002(内部通報マネジメントシステム) グループ内部通報
体制と役割
コンプライアンス委員会 第三者委員会 CCO(最高コンプライアンス責任者) 3ラインモデル 内部監査 グループガバナンス
調査と記録
ヒアリング(事情聴取) 証拠保全 調査報告書 利益相反 案件管理(ケースマネジメント)
事案の種類
不正会計 横領・着服 品質不正(検査データの改ざん) ビジネスと人権
ガバナンスと企業文化
コーポレートガバナンス トーン・アット・ザ・トップ スピークアップ文化 行動規範(コード・オブ・コンダクト) コンプライアンス・プログラム 心理的安全性 不正のトライアングル 組織風土(企業文化) 全社的リスクマネジメント(ERM) 危機管理
法令とガイドライン
コーポレートガバナンス・コード
この用語集について
本用語集は、GuardPlan編集部が執筆しています。解説の下書きにはAIを利用し、公的機関の資料をもとに編集部が内容を確認しています。法令に関する記載は一般的な解説であり、個別の事案への対応は専門家にご相談ください。内容は定期的に見直し、各ページに最終更新日を記載しています。